「赤ちゃんの肌荒れ」知っておきたい予防と対処法まるわかり!

「赤ちゃんの肌荒れ」知っておきたい予防と対処法まるわかり!

肌荒れとは無縁の“つるすべ肌”だと思われがちな赤ちゃん。実は赤ちゃんの肌は大人よりも外部刺激に影響を受けやすく、肌トラブルを起こしがちです。
「病院は受診すべき? 市販薬は使っていいの? どんなケアをしたらいいの?」ママにとっては心配だらけ。
赤ちゃんの肌荒れは毎日のスキンケアで予防・改善することが可能です。まずはお家でのケアをぜひ実践してみてくださいね!

先輩ママもみんな経験している「赤ちゃんの肌荒れ」

新生児から1歳頃までの赤ちゃんは、その皮膚の特性から肌荒れを起こしやすく、症状の種類や度合いは違っても、ほとんどのママが「赤ちゃんの肌荒れ」を経験したと感じています

ママに聞いた「赤ちゃんの肌荒れ」体験談

生まれてすぐから1歳ぐらいまで、首周りや口周りの湿疹ができたり治ったりを繰り返していました。
Oさん(1歳10ヶ月の女の子ママ)

生後3ヶ月頃から顔にぽつぽつの乳児湿疹ができて、手足にはあせもがよくできていました。
Sさん(2歳8ヶ月の女の子ママ)

長女の生後1~3ヶ月頃は乳児湿疹がひどかったです。顔にぶつぶつができたり、眉毛や髪の毛の生え際、耳の後ろにも湿疹ができていました。
Oさん(2歳6ヶ月の女の子と生後1ヶ月の女の子ママ)

どうして肌荒れしやすいの?赤ちゃんの肌の基礎知識

ブツブツの湿疹ができている赤ちゃんのほっぺ

キメ細かい赤ちゃんの肌が一見きれいに見えるのは事実ですが、実は刺激を受けやすい特性を持っています。

新生児~生後2・3ヶ月は皮脂分泌が盛んで顔や頭皮がベタベタ

生まれてからしばらくはママからもらったホルモンの影響で、皮脂分泌が過剰な状態です。おでこや眉毛の周り、頭皮を中心に「新生児ニキビ」や「乳児脂漏性湿疹」といった肌荒れが起こりやすいです。
生後2・3ヶ月頃になると皮脂分泌は自然と落ち着き、一転して乾燥しやすい状態に傾きます。

一生のうちで一番乾燥している赤ちゃん時代の肌

生後2・3ヶ月以降になると皮脂量は急に少なくなり、皮脂分泌量は大人の1/2~1/3程度に。さらに肌に水分を保つ機能も未熟で、赤ちゃんの皮膚の水分量は大人の1/4ほど。外気が乾燥している冬季に限らず夏も乾燥しやすいのです。

皮脂分泌量の推移イメージグラフ

赤ちゃんの皮膚の厚さは大人の半分しかない

赤ちゃんの肌を外部刺激からバリアしてくれる「表皮」は、大人の約半分しかありません。よだれやほこり、乾燥、摩擦といった刺激により弱く、肌荒れを起こしやすいのです。

赤ちゃんと大人の皮膚断面図の比較イメージ図

赤ちゃんに起こりやすい4大肌トラブル

赤ちゃんの肌荒れは顔から全身の至るところに起こり、じゅくじゅく、ぶつぶつ、カサカサ、赤みなど症状は人によって様々です。代表的な赤ちゃんの肌トラブルを4つ紹介します。

乳児湿疹
  • 乳児脂漏性湿疹・新生児ニキビ
  • 乾燥性湿疹
症状・原因

新生児から1歳頃までの乳児では様々な原因により湿疹・皮膚炎が起こります。それを総称して乳児湿疹と呼んでいます。
皮脂分泌が過剰な時期は、生後1ヶ月頃をピークにおでこや頬にぶつぶつができる「新生児ニキビ」や、眉毛や頭皮、髪の生え際、鼻の下に黄色いかさぶた・フケのようなものができる「脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)」が多く見られます。
生後2・3ヶ月以降、肌が乾燥に傾くと、頬や口周りを中心にカサカサと赤くなり、かゆみを伴う「乾燥性の湿疹」が増えます。

対処法・ケア

基本のケアはいつも肌を清潔にすること。お風呂ではベビーソープを使い、洗い残しのないよう気を付けましょう。肌のバリア機能を高めるために新生児から保湿ケアはしっかりとしてください。
脂漏性湿疹のケアは無理にかさぶたを剥がさず、入浴前にベビーオイルでふやかしておくと洗い流しやすくなります。症状がひどくなるようでしたら受診をしてください。弱めのステロイド薬で改善することが多いです。
乳児湿疹は、成長に伴い肌の機能が備わってくることで自然と改善されていくことがほとんどです。症状がひどい、なかなか治らないなど、心配なことがあれば受診しましょう。

あせも
あせも
症状・原因

汗腺がふさがり炎症を起こしたもの。首回りや手足のくびれ、脇の下、背中など汗がたまりやすい部分に、かゆみを伴う赤い湿疹ができます。
赤ちゃんはくびれが多く、さらに自分で姿勢を変えられないので、汗がたまりやすく乾きにくいのが原因です。

対処法・ケア

汗をこまめに拭きとり肌を清潔に保ちます。特に夏場はたくさん汗をかいたらシャワーで洗い流すとよいでしょう。衣類は通気性のよい素材を選びましょう。
かゆみがひどくかきむしっている場合は早めの受診を。症状に応じてステロイド薬が処方されることがあります。

おむつかぶれ
おむつかぶれ
症状・原因

おしっこやうんちの刺激で炎症が起こり、ただれて真っ赤になります。症状がひどいと皮がむけてじゅくじゅくしたり血がにじんだり、その傷からばい菌感染を起こすことがあります。かゆみやヒリヒリとした傷みを伴うため、おむつ替えの際に赤ちゃんが泣いてしまうことがあります。
特に低月齢の赤ちゃんは排せつの回数が多く、便がゆるいため注意が必要です。排せつ物だけでなく、おしりふきやおむつが皮膚に刺激になることもあります。

対処法・ケア

排せつのたび、こまめにおむつ替えをすることが最大の予防です。おむつかぶれになってしまったら、おしりふきは使わずぬるま湯で洗い流しましょう。
病院では亜鉛華単軟膏やステロイド薬が処方されます。なかなか治らない場合は、おむつかぶれと似た症状のカンジタ性皮膚炎の可能性もあるため、受診をして診断を受けましょう。

よだれかぶれ
よだれかぶれ
症状・原因

よだれの刺激によって口周りがかぶれてしまう接触性皮膚炎の一種です。かゆみを伴う赤み、ぶつぶつや水疱ができることもあります。指しゃぶりや拳しゃぶりをすることもかぶれの要因になります。
また口周りの肌トラブルにはよだれかぶれのほか、食べこぼしや卵・牛乳などのアレルゲンが口に触れることで起こるアレルギー性接触皮膚炎の可能性もあります。

対処法・ケア

濡らしたやわらかいタオルでよだれをこまめに拭きとります。こすらず優しく拭くのがポイント。拭き取りの際に皮脂も一緒に取り除いてしまい、カサカサのもとになるので、清潔にしたあとは口周りの保湿も忘れずに。よだれで湿ったスタイ(よだれかけ)はつけっぱなしにせず、こまめに取り替えましょう。
赤みやかゆみが治らないときは受診をしてください。症状がひどいときはステロイド薬が処方されることがあります。

肌荒れとアトピーとの違い・見分け方

アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返す、痒み(そう痒)のある湿疹を主病変とする疾患です。
そう痒があるか、皮疹は湿疹病変か、年齢によって特徴的な分布を示しているか、慢性・反復性の経過であるか(2歳未満の乳児では2ヶ月以上)で、アトピー性皮膚炎と診断されます(日本皮膚科学会ガイドライン アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018より)。

乳児期は肌荒れ(乳児湿疹)を頻繁に繰り返すことが多く、肌荒れとアトピー性皮膚炎を見分けるのは難しい場合も少なくありません。そのため2歳未満では特に検査などをせず、治療をしながら経過を見ることもあります。もし心配なことがあれば医師に相談しましょう。

ぷるぷるモチモチ!赤ちゃんを肌荒れから守るスキンケア

肌荒れの原因は様々ですが、赤ちゃんの肌を守るために一番大切なケアのポイントは「保湿」と「清潔」です。できるだけ早い時期からのスキンケアを習慣づけましょう。
まずは肌荒れを起こさないように予防することが大切ですが、肌荒れが起こってからも、ホームケアを徹底することで十分改善することができますよ!

保湿ケアで肌のバリア機能をアップ!

保湿剤を塗られる赤ちゃん

保湿ケアは新生児から始めるのがおすすめです。毎日の保湿ケアでしっとり肌をキープ!乾燥知らずの潤い肌はバリア機能が高まり、外部刺激から守ってくれます。

新生児からの保湿はアトピー・アレルギー予防にも

新生児期から保湿することで、将来のアトピー性皮膚炎の発症リスクを抑えられることがわかっています(2014年 国立研究開発法人国立成育医療研究センター)。また、カサカサのバリア機能が低下した肌には、ダニや花粉などのアレルゲンが侵入しアレルギーを起こしやすいことも心配されています。保湿ケアはアレルギー予防としても大切なケアといえます。

赤ちゃんの保湿ケアは低刺激なベビー用アイテムを使いましょう。用途や求める使用感によって適切なアイテムを使い分けるのがおすすめ。化粧品の成分が肌に合わないこともあるため、二の腕の裏など皮膚のやわらかい箇所でパッチテストをしてから使うと安心です。

▼ 赤ちゃんの保湿ケアアイテムの種類と特徴

ローション 水分と油分がバランスよく配合された乳液タイプの保湿剤。さらっとしたテクスチャで顔から全身まで塗りやすい。迷ったときはローションを1本持っておくと便利。
クリーム ローションよりも油分が多く保湿力が高い。ほっぺ、おしり周りなど、乾燥や肌荒れが気になる箇所に重ね塗りをすると〇。
ワセリン ほとんど浸透せず皮膚表面で油膜をつくり、外部刺激から肌を保護してくれる。食べこぼしやおむつかぶれの予防に。
オイル ベビーマッサージやカサカサしやすい時期に。脂漏性湿疹のケアや、ベビー綿棒に付けておへそのお掃除や綿棒浣腸にも。
バーム 半固形の軟膏タイプの保湿剤。口周りやほっぺ、ひじなど部分的な保湿ケアに。ママのリップクリームとしても。

\お風呂上がりはすぐ保湿!/

入浴後は皮脂が洗い流されて急激に乾燥が進みます。お風呂上がりは、タオルで赤ちゃんを拭いて、ママのお着替えなどがひと段落したらすぐに保湿してあげてください。5~10分以内を目安にしましょう。

\肌がテカテカになるまでしっかり塗る/

保湿剤は顔や全身にくまなくたっぷりと塗ります。肌がテカテカになるぐらい多めに塗るのがコツ。首周りや関節などくびれ部分も忘れずに。特に乾燥が気になる箇所にはベビークリームやベビーオイルを重ね付けしましょう。

\乾燥が気になったら、日中もこまめに保湿を/

赤ちゃんの保湿ケアは、朝とお風呂上がりの1日2回おこなうのが理想的。難しい場合も、お風呂上がりのケアは頑張ってみてください。
また “何回まで”という決まりもないので、乾燥が気になったときは、肌のバリア機能が落ちているサイン!こまめに保湿をしてあげましょう。

肌荒れのもとはベビーソープできれいに洗い流す!

ベビーソープで体を洗われる赤ちゃん

肌荒れの原因となる汚れ、皮脂、汗はお風呂ケアできれいに洗い流してあげましょう。汚れはお湯だけでは落としきれないので、ベビーソープを使うと清潔を保てます。
ベビー用のシャンプー・ボディソープは、1本で全身洗えるものばかりなので分ける必要はありません。中でも、保湿成分が配合されたものなら、お風呂上がりの乾燥を極力抑えてくれるのでおすすめです。

\ママが慣れたら沐浴からシャワーに切り替えて/

生まれたばかりの新生児には洗い流し不要な沐浴剤を使っている人も多いですよね。けれど肌荒れ予防には、できるだけシャワーで肌に残った汚れを洗い流してあげる方がベター。
ママがお世話に慣れてからで大丈夫なので、すすぎはシャワーに切り替えましょう。

\石鹸成分のすすぎ残しも肌荒れの原因/

ベビーソープの石鹸成分のすすぎ残しも肌荒れのもとに。石鹸成分のすすぎ残しを防ぐために、しっかり泡立てた石鹸の泡で洗うようにしましょう。押すと泡で出てくるフォームタイプなら手軽でおすすめです。
髪の生え際や首周り、くびれの中などはすすぎ残しが起こりやすいので最後に必ずチェックしてくださいね。

\肌荒れがひどいときはお湯の温度をぬるめに設定/

温度が高いお湯で洗うと、かゆみやヒリヒリが悪化することがあります。赤ちゃんにとって適温は38~39度ぐらいだといわれていますが、肌荒れの状態がひどいときは、お湯の温度をいつもよりぬるめに設定しましょう。

赤ちゃんの肌荒れがひどい・治らないときは迷わず受診を

病院で聴診器を胸にあてられ診察を受ける赤ちゃん

どんなに予防を徹底していても肌荒れしてしまうことはあるもの…。
軽い症状であればホームケアでよくなるので、慌てずまずは様子をみて大丈夫。保湿とお風呂のケアをしっかりしましょう。

心配なことがあればかかりつけの小児科・皮膚科へ

しかし、状態やかゆみがひどいとき、なかなか治らないときは、悪化を防ぐために受診をしましょう受診の目安がわからない場合も、心配なことがあれば迷わず医師に相談を
病院はかかりつけの小児科または皮膚科で大丈夫。医師による診察・検査のうえで、適切な治療法の指示、薬(軟膏やクリーム)を処方してくれるほか、日頃のケアについてアドバイスをもらえます。
また、中には単なる肌荒れではなく、病気による湿疹や発疹の可能性もあるかもしれません。いつから・どんな症状が出ているかを医師にしっかりと伝えるようにしましょう。

赤ちゃんにステロイド薬を使うのは心配…

赤ちゃんには自己判断で市販薬を使うのは避けたいところ。市販薬でかぶれることも少なくありません。特に、ステロイド薬は強さにランクがあるため、必ず処方された薬を使うようにしてください。
反対に、医師に処方されたストロイド薬は、用量・用法を守って使えば怖いことはありません。肌荒れを治すためには、必要な時期に、ステロイド薬を使って短期間でしっかり治すことも大切です。

赤ちゃんの肌荒れ対策、こんなことも気を付けて!

そのほか赤ちゃんの肌を守るために、毎日のお世話を通して次のことにも気を付けるとよいですよ!

こまめな爪切り

赤ちゃんの爪切りをする様子

赤ちゃんはかゆみで顔や体を掻き壊して、傷をつくってしまうことがあります。引っ掻き防止にミトンを着用するのもひとつの方法ですが、基本はこまめに爪切りをしてあげましょう。
爪は指の肉と同じぐらいの長さにして、ラウンド上になるよう角を少しだけ丸く切るのがポイントです。

衣類や寝具は常に清潔に

タオル・おくるみにくるまれて眠る赤ちゃん

直接肌に触れる衣類や寝具、タオルは常にきれいなものを使いましょう。洗濯洗剤や柔軟剤で肌荒れしてしまう赤ちゃんがいるため、低月齢のうちは大人の洗濯物と分けてベビー用洗濯洗剤を使うとより安心です。
またベビー服の素材について、特に肌着やパジャマは肌に優しい綿100%でできているものが多いですが、おしゃれなお出かけ着はデザイン性重視で通気性や吸水性があまりよくないものがあります。
さらに中には、抱っこしているママの洋服にかぶれてしまうケースもあります。特に敏感肌の赤ちゃんには気を付けてあげるとよいでしょう。

赤ちゃんの肌荒れはホームケアで予防・対策できます!

つるつるすべすべなきれいな肌の赤ちゃん

赤ちゃんの肌荒れは育児でよくある悩みのひとつです。ママたちの不安から、「ストレスや母乳が肌荒れの原因ではないか」といった話も聞かれますが、医学的には根拠のないこと。
噂話に惑わされず、まずは肌荒れの原因となりそうなものを取り除き、「保湿」と「清潔」のケアを徹底しましょう。肌荒れは成長と共に改善されていくことが多いですよ。
それでも心配なことがあれば病院を受診し、医師に状態を確認してもらってくださいね。

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