【助産師監修】赤ちゃんのお風呂の入れ方|ママ・パパと一緒に入浴

生後1か月頃を過ぎたらベビーバスを卒業して、いよいよ赤ちゃんと一緒にお風呂に入ることができます。しかし、首がすわらない時期は「ちゃんとできるかな…」と不安になる新米ママ・パパも多いはず。特に、慣れないうちや一人でお風呂に入れる場合は、大変に感じることもあるでしょう。
今回は、お風呂の入れ方やグッズ、ワンオペでの入浴など押さえたいポイントを伝授します。慌てずに入浴できるようイメージしながら、参考にしてくださいね。
赤ちゃんのお風呂デビューは生後1か月頃から

一般的に、生後1か月未満の赤ちゃんは「沐浴」をさせて、生後1か月頃から大人と一緒のお風呂でよいとされています。ただし、1ヶ月健診で医師に確認してから、大人と一緒にお風呂に入るようにすると安心です。
「沐浴(もくよく)」とは、主に生後1ヶ月未満の赤ちゃんのベビーバスを使った入浴のことを言います。新生児期の赤ちゃんは病気に対する抵抗力が弱く、へその緒から細菌が入って感染しやすい状態です。そのため大人と一緒の浴槽ではなくベビーバスを使って衛生面に気をつけながら沐浴を行います。
赤ちゃんのお風呂は毎日1回が基本
赤ちゃんは、新陳代謝が活発で汗っかきなうえに、おしっこやうんちでおまたやお尻まわりが汚れがち。おむつかぶれ・あせも予防のためにも、毎日1回はお風呂で汚れを落として清潔な肌を保ってあげることが大切です。
しかし、1日に何度も入れると赤ちゃんの負担になるため、汗や汚れが気になる場合は、シャワーで軽く流すか温かい濡れタオルで拭いたりする程度にして。
赤ちゃんのお風呂は、1日くらいお休みする日があっても構いません。ママ・パパが疲れている時や、赤ちゃんの体温が37.5度以上あるなど体調が悪い時は、無理して入れる必要はありません。その場合は、温かい濡れタオルやガーゼなどで全身を拭いてあげましょう。
お風呂は毎日だいたい同じ時間帯で、10分程度が◎

赤ちゃんのお風呂は、生活リズムを整えるためにも、毎日、だいたい同じ時間帯に入れるのが理想。例えば、18-19時前後など、お風呂に入れる時間帯に幅があっても大丈夫です。夜遅いと生活リズムが乱れてしまうため、遅くとも21時頃までに済ませ、どうしても遅くなる場合は朝の入浴でもOKです。
また、入浴は赤ちゃんにとって体力を消耗しやすいため、着替えも含めて10~15分程度が目安。赤ちゃんに無理のないペースを心がけましょう。
赤ちゃんのお風呂グッズ、どんなものを用意する?
赤ちゃんのお風呂は慣れないうちは不安かもしれませんが、便利なグッズもたくさんあります。うまく活用して、快適なお風呂タイムにできるといいですね。

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【必要なアイテム】
- バスタオル
- ガーゼハンカチ(体を洗うため)
- ベビーソープ(泡タイプが便利)
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【あると便利なアイテム】
- バスタブ用温度計
- 手桶(お湯をかける用)
- バスチェア・お風呂用マット(浴室内で使用)
- バウンサー(脱衣所で使用)
- バスポンチョやバスローブ
ベビーソープは、赤ちゃん用の低刺激処方のもので、片手でプッシュして洗える泡タイプがおすすめ。
バウンサーは、大人一人で入浴させる時や、自分の体を洗う時に、脱衣所で赤ちゃんを寝かせて待機させることができます。赤ちゃん用のバスチェアやお風呂用マットは浴室内で使用でき、赤ちゃんを寝かせたり座らせたりしたまま洗えるので、ワンオペでの入浴もあると便利です◎

バスローブやポンチョは、お風呂上りにサっとくるめて湯冷め防止にもなるため、赤ちゃんだけでなく大人にもおすすめ。
赤ちゃんの沐浴に必要なアイテムについて知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
赤ちゃんのお風呂の入り方|手順を知って焦らず入浴
お風呂では抱っこしながら洗ったり、お風呂上りも素早く体を拭いて着替えさせたりと、慣れないうちはとっても大変。スムーズに入浴できるよう、予習しておくと安心です。
\START/赤ちゃんの着替えやスキンケアグッズを用意

お風呂上りすぐに着替えて湯冷めしないよう、事前にバスタオルタオルや着替え、おむつも広げておきましょう。さらに、お風呂後の乾燥は大敵。ベビーローションやクリームなどの保湿剤も準備しておくと◎
赤ちゃんが快適に過ごせるよう、部屋や脱衣所などの温度は25℃前後くらいを目安に暖かくしておくとよいですよ。
赤ちゃんのからだをチェックしよう
赤ちゃんをまる裸にした際は、肌に赤みやブツブツなどが見られないかチェックしましょう。特に0~3カ月頃は肌が乾燥しやすく刺激にも弱いため、湿疹やおむつかぶれなどの肌トラブルが起こりがち。日頃からのチェックで、肌トラブルを予防しましょう◎

STEP1. 赤ちゃんにぬるめのお湯でかけ湯
ママやパパが先にお風呂に入った後、いよいよ赤ちゃんをお風呂に入れていきます。
まずは、洗面器や手桶を使ってぬるめのお湯を少しずつかけてあげましょう。お湯の温度は、赤ちゃんが快適に感じられる38~40°C前後が目安です。
STEP2. お風呂に一緒に浸かって体を温める

体を洗う前に数十秒ほど、お風呂に一緒につかり、赤ちゃんの体を温めてあげましょう。月齢にもよりますが、特に生後数か月程度の赤ちゃんの場合、のぼせやすいため、お湯に長く浸かり過ぎないよう注意しましょう。
お風呂に入る時は、膝を立てて、太ももの上に赤ちゃんを寝かせて抱っこします。この時、頭と首後ろをしっかりと支えてあげましょう。
STEP3. 顔・頭を洗う


まずは頭や顔全体を、よく泡立てたベビーソープで指の腹を使って洗っていきます。
目元や目のキワの汚れは、軽く絞ったガーゼで拭きとります。頭を洗う際は、生え際や耳の後ろも忘れずに。
洗った後は、すすぎ残しがないよう、お湯でガーゼや手を使ってしっかりと洗い流します。
\赤ちゃんを洗う体勢は?/
お風呂の椅子に座ったママの太ももの上に、仰向けで寝かせ、片方の手で赤ちゃんの後ろ首をしっかりと支えて洗います。この時、滑るのが心配な場合は、太ももの上にタオルを置くと安心です。
もしくは、マットを敷いた上に大人が座り、伸ばした足の上に赤ちゃんを乗せたまま洗ったり、赤ちゃん用のお風呂マットやバスチェアの上に寝かせて洗うなど、やりやすい方法で大丈夫です。
STEP4. 体を洗う



体もよく泡立てた泡で、指の腹を使って洗います。
汚れがたまりやすい首のつけ根、脇の下、ひじ・ひざの内側、太もものつけ根などの関節はしわを伸ばすようにして洗います。手のひらや指の間も忘れずに。
最後は、おまた→おしりの順に洗います。特におしっこやうんちで汚れていると皮膚トラブルの原因になるため、おしりや肛門は特に丁寧に洗いましょう。
\赤ちゃんが泣きそうになったら/
ママ・パパの体を密着させる、音楽をかけて歌ってあげる、「気持ちいいね♪」などの声かけを行い安心させてあげると◎
STEP5. しっかりと洗い流す
洗面器や手桶で、上がり湯をしっかりと洗い流します。シャワーでかけ湯を行う場合は、最初に冷たい水が出たり、熱いお湯が出たりするため注意しましょう。
STEP6 .赤ちゃんの体を素早く拭く

お風呂上りはすぐにバスタオルで包んで、こすらずにやさしく拭きしましょう。拭き終わったら、ベビーローションなどで保湿をし、おむつと服を着せます。
母乳やミルクを欲しがる場合は、スキンケアや着替えが落ち着いたタイミングで授乳をしましょう。赤ちゃんもお風呂上りは喉が渇くこともあるため、その場合は着替えてからすぐに授乳しても大丈夫です。
赤ちゃんのお風呂の待たせ方
赤ちゃんと一緒にお風呂に入るのは、初心者やワンオペ育児のママ・パパにとって特に大変なお世話。安全を確保しながら無理のない方法を見つけてくださいね。
一人でお風呂に入れる場合…
ママかパパが1人の場合は、脱衣所にバウンサーや座布団+バスタオルなどで赤ちゃんの待機場所を用意します。待たせている間、夏はおむつ姿にバスタオル、冬は服を着せて毛布をかけるなどで、寒くないよう調整しましょう。
先にママ、パパが体を洗っている間は、浴室のドアを開けて赤ちゃんの様子を確認ようにしておくと安心。自分の髪は別のタイミングで洗うなど、工夫しながら自分に合った入れ方で大丈夫です。

ママとパパの2人の場合…
2人で協力できる場合は、片方が先に入浴し体を洗い終えたら、もう一方が赤ちゃんの服を脱がせて連れてきてバトンタッチする方法がおすすめ。ママやパパが入れやすい方法で役割を分担するとスムーズです。

赤ちゃんのお風呂後のケア
赤ちゃんお肌はとってもデリケート。お風呂上りのケアで赤ちゃんの肌トラブルを予防しましょう。
乾燥は肌の大敵!たっぷり保湿して

お風呂上りは特に肌が乾燥しがち。お風呂上り5分以内を目途にできるだけ早く保湿をしてあげましょう。全身たっぷりと皮膚がテカテカするくらい塗るのがポイント。しわになっている部分も伸ばしてしっかり保湿しましょう。

どんな保湿剤を使う?
保湿には、「赤ちゃん専用」の低刺激な保湿剤を選びましょう。
サラっとしたテクスチャーで全身に塗り広げやすいローションタイプはデイリーケアにおすすめ。乾燥が気になる部分には、ローションの後にクリームやオイルを重ね塗りすると効果的。
耳・鼻・おへそ周りのケア
毎日でなくても構いませんが、気になる時に赤ちゃんの鼻や耳のケアも行いましょう。
綿棒で鼻の入り口の見える部分や、耳の入口やみぞの水分をやさしく拭き取り、綿棒は奥まで入れないよう注意します。
おへそは細菌予防のため、綿棒やティッシュ、ガーゼなどで水分をしっかり拭き取ります。おへそケアや消毒の仕方は産院で教わった方法でケアしましょう。
赤ちゃんのお風呂タイム!気になるQ&A

Q. 授乳直後のお風呂は大丈夫?
A. 授乳後すぐの入浴は避けましょう。
授乳直後の入浴は、赤ちゃんが吐き戻しをしやすいため、できれば30分くらいは時間をあけるのが望ましいです。また、お風呂は赤ちゃんの体力を消耗するため空腹時も避けて、良きタイミングで入浴しましょう。
Q.赤ちゃんがお風呂で泣きだしてしまったときはどうしたらいい?
A.赤ちゃんがお風呂で泣くのは、「怖い」「不快」といった体験が原因になっていることがあります。「部屋が寒い・お風呂が熱い」「突然のシャワーにびっくり」などがストレスになる場合も。原因を1つずつ想像して対処し、環境を整えてあげましょう。
例えば、赤ちゃんがびっくりしないように、シャワーを使う際は弱めの水圧にする、濡らしたガーゼで顔を拭くなど、少しずつ水に慣らしてあげるとよいでしょう。
お風呂を楽しく快適な時間に変えるためには、お気に入りのおもちゃやベビーチェアなどグッズの活用も効果的◎泣くのは一時的な反応と割り切って、焦らず慣らしていくことが大切です。
赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点は?
安心して赤ちゃんとの入浴時間を過ごすためにも、溺れる事故や転倒・けがには十分に注意したいところ。「入浴中は目を離さない」「入浴後は浴槽の水を抜く」など、安全対策を徹底しましょう。転倒防止にお風呂場の床に滑り止めバスマットを敷くのも有効です。
お風呂は大切なスキンシップの時間◎

赤ちゃんのお風呂は、慣れないうちはドキドキかもしれませんが、ママ・パパと赤ちゃんのペースで焦らず行うことが大切。「しっかり洗って保湿」ができれば大体の手順で大丈夫◎
また、お風呂は親子の大切なスキンシップの時間。安心できるよう声をかけながら、赤ちゃんと一緒のお風呂タイムを楽しんでくさいね。