【新米ママ・パパ必見】赤ちゃんの沐浴ガイド!正しいやり方&タイミングで肌トラブルを予防

沐浴は抵抗力が弱い新生児にとって必要不可欠なお手入れ。
ですが、この時期の赤ちゃんは生まれたばかりで首も安定しておらず「沐浴が上手くできるか心配」と不安に思うママ・パパも少なくないのでは?
しかし、沐浴の手順やコツを押さえれば大丈夫。今回は、沐浴のやり方やタイミング、温度など押さえるべきポイントについて解説します。
新生児期の沐浴とは?入浴とは違う?

「沐浴(もくよく)」とは、主に生後1ヶ月未満の赤ちゃんのベビーバスを使った入浴のことを言います。
新生児期の赤ちゃんは病気に対する抵抗力が弱く、へその緒から細菌が入って感染しやすい状態です。そのため大人の「入浴」とは区別し、同じ浴槽ではなくベビーバスを使って衛生面に気をつけながら沐浴を行います。
沐浴は皮膚を清潔にして肌トラブルを防ぐだけでなく、睡眠を促進したり新陳代謝を高めたりする効果もあります。また、親子のスキンシップとしても大切な時間になります。
沐浴時は赤ちゃんのからだを観察しよう

沐浴は赤ちゃんの全身に触れながら観察できるよい機会。この頃の赤ちゃんは「おむつかぶれ」をはじめ、頬やおでこにブツブツができる「新生児ニキビ」や、頭皮や眉毛などに黄色いかさぶた・フケのようなものができる「脂漏性湿疹」が多くみられます。
早期に発見することで肌トラブルの悪化を防ぐことにもつながるので、日頃からチェックしておきましょう。
赤ちゃんの沐浴はいつまで?

一般的に、1ヶ月健診でOKがでたら沐浴卒業。大人と同じ湯船で、一緒に入浴ができるようになります。
ただ、医師の許可が出た後でも湯船に入れるのが大変に感じるようなら、無理せずベビーバスでの沐浴を継続しても構いません。生後3ヶ月でもベビーバスを使っている人もいます。
ベビーバスに赤ちゃんの体が入るうちは、ママやパパが入れやすい方法で大丈夫です。
赤ちゃんの沐浴は毎日1回が基本
生後1ヶ月に満たない赤ちゃんでも新陳代謝は活発です。汗をかきやすく、うんちやよだれなどで赤ちゃんの体は汚れがち。おむつかぶれやあせも予防のためにも、1日1回は沐浴を行い清潔に保ってあげましょう。
何度も入れると赤ちゃんの負担になるため、暑い時期でも沐浴は1回にして、汗などが気になるときはシャワーで軽く流してあげたりぬれタオルで拭いたりする程度にして。
また、沐浴はできるだけ同じ時間帯に行いましょう。
例えば、18時から20時頃までのタイミングの良いときに入れるなど、おおよその時間帯を決めておくといいですね。時間が遅くなれば、それだけ寝る時間も遅くなってしまい、赤ちゃんの生活リズムが乱れてしまいます。遅くとも夜9時までには済ませたいもの。もしどうしても遅くなってしまう場合は、朝に入れてあげるのもひとつの手です。
赤ちゃんの沐浴の際に気をつけること

赤ちゃんの沐浴には気をつけるポイントがいくつかあります。安全に配慮し、以下の点に注意しましょう。
ポイント1. 沐浴NGのタイミング
沐浴はタイミングも重要。下記を参考に赤ちゃんにとってできるだけベストなタイミングで沐浴をしてあげましょう。
授乳後から30分以内
授乳直後は赤ちゃんが母乳やミルクを吐いてしまうことがあります。沐浴は赤ちゃんの体を動かすことも多いので、授乳後の場合30分くらいは時間をあけましょう。
授乳前の空腹時
沐浴は赤ちゃんの体力を消耗するので、授乳前の空腹時も避けた方がよいでしょう。赤ちゃんの機嫌が悪いときは、無理せず赤ちゃんの機嫌が良くなるのを待って。
夜遅い時間
遅い時間は避け、生活リズムをつくるために、なるべく同じ時間帯に入れてあげましょう。
元気がない・熱があるとき
赤ちゃんの元気がない、体温が37.5℃以上あるときは沐浴をやめた方がよいでしょう。
沐浴ができないときは、お湯に浸して絞ったタオルやガーゼで、汚れやすい箇所を中心に手早く拭きます。赤ちゃんの服を脱がす前に、部屋を暖かくするのも忘れずに。おむつかぶれがある場合は、おしりだけを部分的にシャワーで洗い流してもよいでしょう。
ポイント2. 室内の温度は25℃前後を目安に
沐浴する浴室や部屋は、赤ちゃんにとって快適な温度である25℃前後くらいを目安に。
また、エアコンの風が赤ちゃんに直接当たらないように気をつけましょう。
ポイント3. 沐浴は5~10分程度の時間で
赤ちゃんは体温調整機能が未発達なので、湯冷めしないように注意しましょう。洗う時間は5~6分程度、着替えまでを含めて10分程度で終わらせるのが理想です。
沐浴の前に準備しておきたいアイテム

沐浴は意外と重労働。安全かつ快適に沐浴を行えるように、必要なアイテムを事前に準備しておきましょう。沐浴は毎日行うものなので、ママやパパの負担を軽減してくれるような便利なアイテムも併せてチェックしておくといいですね。
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沐浴中に使用するもの
- ベビーバス
- 温度計
- 洗面器(あがり湯用)
- ベビーソープ
- 沐浴布(ガーゼ)
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浴後に使用するもの
- バスタオル
- 保湿剤
- 着替え・おむつ
- 綿棒
ベビーバスはゆったり大きめのタイプ、空気を入れて膨らませて使うタイプなどがあります。排水栓が底にあるものだと、お湯を簡単に捨てられて便利ですよ。レンタルでもいろいろなタイプが選べるので、使う場所に合わせて選ぶと〇。
また、ベビーソープは赤ちゃん専用の低刺激なものを選びましょう。泡で出てくるフォームタイプが便利でおすすめです。石けんを泡立てる手間が省けるので、赤ちゃんを抱えながらでも簡単に洗えます。
赤ちゃんの沐浴の方やり方

沐浴には、頭や顔を含めて全身をベビーバスの中で洗う方法や、体部分だけをベビーバスの中で洗う方法などさまざまなやり方があります。赤ちゃんの状態や状況にあわせてやり方を工夫していきましょう。ここでは、基本的な沐浴の方法を解説していきます。
1. 必要なアイテムを準備

ベビーバスにお湯を準備します。お湯の温度は大人が少しぬるく感じるくらいの38~39℃が適温。温度計があれば測り、なければ温度を敏感に感じる肘の内側でお湯の温度を確認して熱くなければOKです。 お湯はベビーバスの1/2~2/3くらいまでためます。一緒にあがり湯用のお湯も洗面器に用意しておきましょう。
着替えは肌着と上着の袖を通し、その上におむつも広げておくと、入浴後の着衣がスムーズに。さらに、着替え・おむつの横に、体を拭く用のバスタオルを置いておくと、拭いた後すぐに準備した服の上に赤ちゃんを寝かせることができます。

2. 沐浴布をかけて足からお湯につける

準備ができたら赤ちゃんの服を脱がせ、沐浴布をかけます。沐浴布をかけることで体温低下を防いだり、赤ちゃんの安心感が増してお湯に入れたときにびっくりしにくくなります。
また、沐浴布は布がお湯から出ないようにするのもポイント。沐浴布をかけていても布がお湯から出ているとそこから冷えてしまいます。
片方の手で首の後ろ、もう一方の手でおしりを支え、足からゆっくりお湯に入れていきます。沐浴布の上から足→お腹→胸とお湯につけて、徐々に慣らしていきましょう。
\赤ちゃんをお湯に入れる際のポイント/
赤ちゃんをお湯に入れると、急な温度差や動作に驚いて泣く場合もあります。焦らず「気持ちいいね」など声をかけながらなだめましょう。ゆっくりお湯の中でただよわせると次第に落ち着きやすいです。
3. 顔を洗う

よく泡立てたベビーソープで汚れがたまりやすいTゾーンを中心に、頬、口の周り、顔全体を洗います。ガーゼではなく、指の腹を使って泡を転がすイメージでやさしく洗いましょう。特に頬や生え際はぶつぶつができやすいため、ベビーソープを使って洗い泡をしっかりと洗い流すことが大切です。
目元のキワなどの汚れはガーゼを軽く絞って拭きとります。1度、目を拭いたガーゼは、洗うか、別のガーゼの面を使ってもう一方の目を拭きましょう。
洗い流すときは赤ちゃんの頭を少し持ち上げ、顔用のボールなどの入れ物に溜めたお湯を使ってガーゼや手で丁寧に洗い流しましょう。
\ベビーバスで顔を洗うのが難しい場合はガーゼで拭く/

ベビーバスで顔を洗うのが難しい場合は、浴槽に入れる前に、濡らしたガーゼで顔全体を拭きましょう。目元を拭く際は涙腺の感染予防のため、片方ずつガーゼの面を変えて拭くことがポイント。
4. 頭を洗う

手にたっぷりの泡をのせ、頭全体に大きく円をかくようにやさしく洗います。ゴシゴシと洗うのはNG。頭皮や生え際は皮脂腺も多く汚れやすいため、指の腹を使い丁寧に洗いましょう。後頭部や耳の裏側も忘れずに。
洗い終えたら赤ちゃんの頭を少し持ち上げ、浸かっているお湯である程度石鹸のヌルヌルを取った後、あらかじめ用意した顔用のお湯でガーゼや手を使って洗い流しましょう。すすぎが不十分だと皮膚トラブルの原因になることも。ヌルヌルしていないかチェックして。洗い流したら、頭が冷えないように絞ったガーゼで頭の水分をざっくりと拭きとります。
5. 体を洗う




体を洗う際は、前側から首→両腕→お腹→両足の順に洗います。
汚れがたまりやすい首のつけ根、腕の内側、脇の下、ひじ・ひざの内側、太もものつけ根などの関節はしわを伸ばすようにして洗います。
6. 背中を洗う

赤ちゃんの首をしっかり支えたまま、ゆっくりとうつ伏せにして首の後ろ側→背中を洗います。このとき、赤ちゃんの顔がお湯につかないように注意してください。
うつ伏せにするのが難しい場合は、上向きでお湯につかったまま、背中を洗っても大丈夫です。
\ポイント/
赤ちゃんのあごを腕にのせると安定しやすくなります。
7. おまた・おしりを洗う
再度、赤ちゃんの首を支えながら、ゆっくり元の姿勢に戻し沐浴布をかけて落ち着かせましょう。おまたも洗っていきます。男の子の場合は陰嚢のしわの部分も裏側も丁寧に、女の子の場合は前から後ろに向かってやさしくなでるように洗います。その場合、膣の中までは洗う必要はありません。
最後に肛門やおしりも洗いましょう。
肛門を洗う際は、指の腹を使って洗います。うんちやおしっこで汚れていると皮膚トラブルの原因になるため、おしりは丁寧に洗いましょう。
8. あがり湯で流す

最後に、洗面器にあらかじめ用意しておいたあがり湯をかけて体についた石けんをしっかり流します。シャワーでかけ湯を行っても構いませんが、初めに冷たい水が出たり熱いお湯が出たりすることがあるため、注意が必要です。
赤ちゃんが驚かないように足元から胸に向かってかけてあげましょう。
\ポイント/
ここまでの工程を5~6分を目安に行います。長くなると赤ちゃんが疲れるので手早く洗いましょう。
9. 体を拭いて保湿

沐浴が終わったらバスタオルでつつみ、皮膚はこすらずに「押さえぶき」して水分を拭きとります。拭き終わったらおむつを軽くあて、ベビーローションなどの保湿剤で全身を保湿しましょう。全身を保湿したら服を着せ、パーツのお手入れをします。
赤ちゃんの沐浴後のお手入れ

ここからは、沐浴後のお手入れについて詳しく解説します。日頃のケアで赤ちゃんの肌トラブルを防ぎましょう。
乾燥は肌トラブルのもと
肌が乾燥すると、外部刺激から皮膚を守るバリア機能が低下してさまざまな肌トラブルの原因となります。
赤ちゃんの肌トラブルを避けるためには、保湿ケアで潤いのある状態を保つことが大切。沐浴後だけでなく、拭いたり洗ったりした後も皮脂や保湿剤が落ちてしまうので塗り直す習慣をつけておくと〇。
夏は水分が多くサラッとしたローションタイプ、冬は油分の多いクリームタイプがおすすめですが、全身塗り広げやすいローションタイプを1年中使っても大丈夫です。
乾燥が気になる部分には、ローションの後にクリームやオイルを重ね塗りするなど状態に合わせて調整するとよいでしょう。
また、香料・エタノール・パラベン・着色料などの成分が入っていない、赤ちゃん専用の低刺激なものを選ぶようにしましょう。
保湿は全身たっぷりと!

沐浴後は汚れとともに皮脂やうるおい成分も流れてしまうため、肌が乾燥しがちです。沐浴後5分以内を目安になるべく早めに保湿剤を塗ってあげましょう。
赤ちゃんの手脚1本に対して5円硬貨大、お腹側・背中側はそれぞれ500円硬貨大の量が目安です。顔や体全体の数か所に保湿剤を点置きし、指の腹ですべらせるように広げて。しわになっている部分も伸ばして皮膚がテカテカになるくらいしっかり保湿ケアするのがポイント。
気になる時は鼻や耳のケアも一緒に
毎日でなくても大丈夫ですが、数日に1回、気になるときに鼻や耳のケアも沐浴後に行うとよいでしょう。
赤ちゃんの鼻がつまっていると、ミルクや母乳がうまく吸えなくなるのでホームケアで根気強くケアする必要があります。沐浴後は、暖かく湿った空気を吸うことで鼻水や汚れが取りやすくなります。
汚れている場合は鼻の入口に綿棒の先を入れ、回しながら絡めとりましょう。このとき、綿棒が鼻の奥に入らないように、顔をおさえて行うのがポイント。奥の汚れは自然に出てくるので取らないで。見える部分をやさしく掃除してあげましょう。
耳のケアは赤ちゃんの頭をおさえながら、耳のみぞや入口の水分を軽く拭きとります。綿棒は奥まで入れず、片方ずつ綿棒の先を替えましょう。忘れがちな耳の裏は、タオルでやさしく水分を拭きとります。
おへそのケア
へその緒の根本は細菌感染を防ぐためにも水分をしっかり拭きとります。水分を取る際は、綿棒でもよいのですが、綿棒を使うのが不安という場合は、ティッシュやガーゼ、タオルなどで押さえ拭きするとよいですよ。
おへそのケアや消毒の仕方については産院で教わった方法で行いましょう。
気になる赤ちゃんの沐浴Q&A

新米ママ・パパにとって沐浴は、はじめてのことだらけ。ここでは、よくあるギモンについて解説します。
Q. 沐浴する場所はシャワー付き洗面台やキッチンのシンクでもOK?
安全で清潔な環境であれば、洗面台やシンクでも大丈夫です。
ある程度高さのある場所だと、ママやパパの腰への負担も少なくてすみます。
ただし、高さのある場所で沐浴する場合は、赤ちゃんが落ちないように注意しましょう。洗面台やキッチンのシンクで使えるタイプのベビーバスもあるので、場所にあわせて選ぶとよいですね。
Q. ベビーソープと沐浴剤どっちを使うべき?
どちらを使用しても大丈夫ですが、うんちやミルクで汚れが目立つ場合は、ベビーソープでやさしく丁寧に洗ってあげましょう。赤ちゃんの状態やライフスタイルに合わせて使い分けるとよいですね。
沐浴剤を使う沐浴は、溶かしたお湯の中で赤ちゃんを洗うだけなので比較的簡単にできます。せっけんほど滑らず、すすぎやあがり湯も不要なので沐浴が不慣れで怖いと感じる場合はおすすめです。慣れてきたらベビーソープに切り替えるでも問題ありません。
Q. 耳にお湯が入ったかも!?
基本的に心配ありません。耳には毛が生えているので、水分をはじくようになっています。また、耳に入った少量のお湯は体温で自然に蒸発します。どうしても気になるようなら、しばらく赤ちゃんの様子をみてかかりつけ医に相談しましょう。
沐浴は親子の絆を深める時間

沐浴は両親と赤ちゃんのペースで焦らず行うことが大切です。入れる時間帯や沐浴の順序が多少変わっても、「しっかり洗って保湿」ができればOK。
初めは緊張したり戸惑うことも多いかもしれませんが、回数を重ねるうちに自然と慣れていくもの。赤ちゃんが安心できるように「気持ちいいね」「さっぱりしたね」と声をかけながら、大切なスキンシップの時間を楽しんでくださいね。