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どう乗り切る?ワンオペお風呂の入れ方&待たせ方のコツ【助産師監修】

どう乗り切る?ワンオペお風呂の入れ方&待たせ方のコツ【助産師監修】

ワンオペ育児の中でも特に大変な「お風呂」。お風呂デビューとなると、「赤ちゃんの怪我に気を使う必要がある」「ギャン泣きして暴れる」「自分の体がゆっくり洗えない」など、リラックスできるはずのバスタイムも気が休まらないといった悩みも聞かれます。

ましてや1人でお風呂に入れなければならない時はどうしたらいいのでしょうか?
ここでは、ワンオペお風呂を安全かつスムーズにするための待たせ方や入れ方のコツを伝授します。月齢に合わせた入浴のポイントや便利グッズも紹介するのでぜひ参考にしてください。

特に沐浴卒業後の慣れないうちは大変かもしれませんが、無理ないペースでワンオペお風呂を乗り切りましょう。

ワンオペお風呂のよくある悩み

ワンオペお風呂のよくある悩み

ワンオペお風呂に悩みはつきもの。首がすわらない時期は赤ちゃんのお世話もおっかなびっくり…。つかまり立ちができると今度はハラハラドキドキ…。
しかし、我が子の成長に合わせて入浴の仕方を変えたり、工夫できればワンオペお風呂も少しはラクになります。

▼よくあるワンオペお風呂の悩み

  • 首すわり前は赤ちゃんの首を支えながら洗うのが大変…
  • 浴室では赤ちゃんを落としたり、滑って転倒しないよう気を配る必要がある…
  • 寝返りなど子どもがじっとしていられないので脱衣所で待たせておくのが大変…
  • 自分のケアや着替えが後まわし…などなど

そもそも「ワンオペお風呂」とは、親が一人で赤ちゃんを入浴させることをいいます。もともと「ワンオペ」はワンオペレーションの略で、一人で全ての作業を切り盛りするという意味ですが、そこから派生して育児・子育ての分野でもワンオペ育児やワンオペお風呂といった表現で用いられるようになりました。

そもそも赤ちゃんのお風呂はいつから入る?

そもそも赤ちゃんのお風呂はいつから入る?

新生児期(生後28日未満)は、へその緒から細菌が入って感染しやすい状態のためベビーバスや洗面台などで沐浴を行うのが基本。1か月健診でOKが出れば沐浴を卒業して大人と一緒にお風呂に入ることができます。

ただし、湯船に入れるのが大変に感じるようなら、無理せずベビーバスでの沐浴を続けても構いません。ベビーバスに赤ちゃんの体が入るうちは、ママやパパが入れやすい方法で大丈夫です。ワンオペ時も、首が据わる2~3か月頃までは沐浴で済ませるなど自分に合った方法で大丈夫です。

ワンオペお風呂のポイント

ワンオペ時はお風呂のタイミングや入浴前の準備が大切。段取りが多くて面倒に思うかもしれませんが、スムーズにお風呂を乗り切るために参考にしてください。

ポイント1. ワンオペお風呂のタイミング&入れる時間

ワンオペお風呂のタイミング&入れる時間

赤ちゃんのお風呂は、生活リズムを整えるうえでも、毎日だいたい同じ時間帯に入れるのが理想。きっかり同じ時間でなくても大丈夫なので、例えば18~20時頃の間に入れるなど目安を決めとよいでしょう。

また、赤ちゃんの機嫌が良いときを見計らい、「眠い」「空腹」といったタイミングは避け、入浴は赤ちゃんの体力を消耗しやすいため着替えを含めて15分以内を目安に済ませましょう。

ポイント2. ワンオペお風呂は待たせ方も肝心!

ワンオペお風呂は待たせ方も肝心!

自分の髪と体を洗っている間もしっかりと赤ちゃんの様子を確認できるよう、「脱衣所」など大人の目の届く安全な場所で待たせておきましょう。浴室内にベビーバスやバスチェアを置いて待機してもらうという手もありますが、赤ちゃんの転倒に注意しましょう。

寝返りしようとし始めたり、動き回るようになって子どもだけ脱衣所で待たせるのが難しい場合は、大人と一緒の浴室内で待たせるなど状況に合わせて安全な待機場所を用意しましょう。

ポイント3. ワンオペお風呂は入浴前の準備がカギ!

ワンオペお風呂は入浴前の準備がカギ!

ワンオペお風呂を段取りよく進めるためには事前の準備が欠かせません。下記のポイント参考にするとグッとお風呂タイムもスムーズになりますよ。

準備その1. 部屋・脱衣所の温度を調整

赤ちゃんが裸でも快適に過ごせるよう、部屋や脱衣所は25°前後くらいを目安に設定しましょう◎特に冬場は事前に浴室や脱衣所が寒くない温度に調整しましょう。

準備その2. 必要アイテムを手の届くところに用意

必要アイテムを手の届くところに用意

着替えも事前に用意します。肌着の上におむつを広げておくと着替えがスムーズ。体を拭くタオルも着替えの近くに置いて、体を拭いたらすぐに着替えて湯冷めしないようにしましょう。

お風呂上りに使うベビーローションなどの保湿剤や、耳・鼻・おへそケアなどに使うベビー用綿棒やティッシュ、ガーゼなど、必要なアイテムもすぐ手に取れる場所にセッティングしておきます。

準備その3. 赤ちゃんの待機場所を用意

自分の体を洗っている間、赤ちゃんを待たせる安全な待機場所も事前に準備しておきます。
生後1か月などの首すわり前は、バスタオルを広げたり、バスマット、バウンサーなどに横に寝かせておくと安心です。

お座りができるようなったらバスチェアやバスマットに座らせることができます。つかまり立ちや一人歩きができる1歳前後からは、一人で立ち上がり滑って転倒する危険性も。大人と一緒の浴室内でバスマットを敷いておもちゃを持たせて待機させるなど転倒しないよう注意しましょう。

赤ちゃんを待たせている間は、寒くないようにバスタオルや毛布をかけるなどで調整すると◎

準備その4. お風呂上りの水分補給の準備も忘れず

お風呂上りは、赤ちゃんも汗をかいて脱水症状が起こる可能性もあります。事前に母乳やミルクなど月齢に合わせた飲み物も用意しておきましょう。

\基本の/ワンオペお風呂の入れ方&手順

ワンオペお風呂はやることが多くうまく一人でできるか心配ですよね。ここでは、先に大人が体を洗った後、子どもを入浴させる方法をご紹介します。一緒に入浴が大変な場合は、大人が服を着たまま赤ちゃんを洗い、寝かしつけた後、自分の髪と体を洗うなど無理のないやり方で大丈夫です。

STEP1. 赤ちゃんを待たせる間に自分の体を洗う

赤ちゃんを待たせる間に自分の体を洗う

まずは、脱衣所などの安全な待機場所に赤ちゃんを待たせておきます。自分の体や髪を洗っている間、浴室のドアを開けて赤ちゃんの様子をしっかりと確認できるようにしましょう。寝返りにも気を配ります。

待たせる間、子どもに話しかけたり、おもちゃを持たせたりすると集中して待っていてくれます◎

STEP2. 赤ちゃんと一緒に入浴

赤ちゃんと一緒に入浴

赤ちゃんを浴室内に移動させたら、数十秒程度お湯につかり体を温めます。生後数カ月程度の赤ちゃんはのぼせやすいため、入浴は赤ちゃんの様子を見ながら短時間で済ませるのがポイント。首が据わらないうちは大人が膝を立てて座り、その上に赤ちゃんを寝かせ、向かい合わせになるように浸かると◎

お湯の温度は赤ちゃんが快適に感じられる38~40°C前後が目安です。

STEP3.赤ちゃんの体を洗う

よく泡立てたベビーソープで手を使ってやさしく洗っていきます。首が据わらないうちはしっかりと頭を支えながら洗います。つかまり立ちができるようになったら、転倒に気を配りながら洗いましょう。洗い流す際は、洗面器や手桶でしっかりと洗い流します。

下記で、月齢に合わせて赤ちゃんを安全かつスムーズに洗える方法をご紹介します。

首すわり前は寝かせて洗う

首すわり前は寝かせて洗う①
首すわり前は寝かせて洗う②

首すわり前は、バスマットの上に寝かせたり、洗い場にマットを敷いてその上に大人があぐらをかいて座って洗うなどの方法があります。

大人の膝の上で洗う

大人用のバスチェアに座った大人の膝の上で洗うという方法もありますが、滑らせて赤ちゃんを落とさないように注意が必要です。泡や水で赤ちゃんが滑ってしまいそうで心配なときはタオルを敷くと安心です。

お座り~つかまり立ちができるようになったら…

お座り~つかまり立ちができるようになったら…

お座りやつかまり立ちができるようになってくると、バスチェアに座らせたり、浴槽の縁につかまらせて洗うことができます。赤ちゃんが活発に動く場合は、大人の脚の間に赤ちゃんを座らせて両脚で赤ちゃんの動きを制御するとラクに洗えますよ。おもちゃを使って赤ちゃんの気をそらしている間にサッと洗のも手です。

STEP5.赤ちゃんと一緒にお風呂から上がる

赤ちゃんと一緒にお風呂から上がる

お風呂上りは湯冷めしないよう、赤ちゃんの体を拭いたらバスタオルでしっかりとくるんで、待たせておきます。自分も素早く着替えた後、赤ちゃんのスキンケア等を済ませ、着替えをさせます。

お風呂上りは赤ちゃんも脱水症状にならないように母乳やミルクで水分補給も忘れずに。先に赤ちゃんのケアや着替えを済ませたい場合は、お世話している間、自分も風邪をひかないようにバスローブを羽織るなどで寒さ対策をすると◎

赤ちゃんと上の子”2人以上のワンオペお風呂の場合

赤ちゃんと上の子”2人以上のワンオペお風呂の場合

ワンオペで2人以上の子どもをお風呂に入れる場合、洗う順番を決めて段取り良く洗うのがコツ。

体を洗う順番は「上の子→大人→下の子」がおすすめです。
上の子を洗う間、下の子はバスチェアやバウンサーなど安全な場所で待たせておきます。上の子は、洗い終わったらバスチェアなどで待っていてもらいます。浅めにお湯を張った湯船で待たせるという方法もありますが、ほんの少しの水量でも注意が必要です。

お風呂を上がる際は、「下の子→上の子→大人」の順に上がります。
湯冷め防止の観点から、下の子を先に体を拭いて、次に上の子の体を拭き、待っていてもらいます。最後に自分も素早く体を拭いて着替える、もしくはバスローブを羽織るなどで湯冷めしないようにしましょう。

上の子が待っている間、おもちゃを活用して飽きないようにしておくと、落ち着いた入浴ができ自分も楽になるでしょう。

月齢別の入れ方と待たせ方のコツ

月齢別の入れ方と待たせ方のコツ

新生児期(生後28日未満)は沐浴が基本で、ベビーバス等で赤ちゃんの体を洗います。沐浴卒業後はお風呂に入ることができますが、月齢によってお風呂の入れ方や注意点も異なります。

首すわり前:生後1~3カ月頃

首すわり前は、抱っこするときや洗うときは、赤ちゃんの後頭部をしっかりと支えて洗います。首が据わらないうちはベビーチェアなどの座らせるタイプは使わず、寝かせられタイプのものがベスト。赤ちゃんを抱えたまま足を滑らせたり転ばないように注意しましょう。

首すわり後:生後4~5カ月頃

生後3か月を過ぎると首がすわり始めお座りもできるようになると、バウンサーやバスチェアなどにも座らせることができます。いろんな物に興味を示すようになると、石鹸やおもちゃなど触れたものをつかんで口に入れたがるのでなめたりしないよう注意が必要。危険なものはしまうなど対策をしましょう。

お座り~つかまり立ち:生後6カ月頃~1歳頃

ハイハイやつかまり立ちができるようになったら、赤ちゃんも体のバランスがとれるようになりますが油断は禁物!転倒や溺水などの事故にいっそう注意が必要です。お風呂のお湯は浅めに張って滑り止めマットを敷いて対策を万全に。「大人が洗う際は赤ちゃんを浴槽から上がらせる」「お風呂から上がったら浴槽のお湯を抜く」ことを習慣にしましょう。

あるとラクさが変わる!ワンオペお風呂の便利グッズ

あるとラクさが変わる!ワンオペお風呂の便利グッズ

ワンオペお風呂は入浴前の準備からお風呂上りのケアとやることがたくさん。少しでもスムーズにするために便利グッズの活用もおすすめですよ。

バウンサー・ハイローチェア

バウンサーやハイローチェアは、脱衣所で子どもを待たせるときに活躍するアイテム。固定ベルトがあると安心ですが、寝返りができるようになる生後6か月頃になると、じっとしてくれずバウンサーから落ちる危険もあるため、安全に使用できる期間のみ活用するのがおすすめです。

バスチェア・ベビーバス

ベビーバスやバスチェアは浴室に置いて、子どもを待たせたり、洗うときに活躍するアイテム。バスチェアは子どもがお座りできるようになってから使えるアイテムですが、膝の上で子どもを抱えて洗うのが怖いという方や、上の子を待たせるときにあると便利です。

バスマット(お風呂マット)

バスマットを浴槽の床に敷くことで転倒防止に役立てられます。
浴室では子どもが滑ってころんでしまい、尻もちや床に頭を打ち付けてしまうなどのリスクがあるためバスマットの活用がおすすめです。

バスローブ・バスポンチョ

子どもと一緒のお風呂は、上がった後のお世話に追われて自分のケアが後回しになりがち。そんな時はサッと羽織れるバスローブが便利です。大人だけでなく子どもの湯冷め防止にもなりますよ◎

吸水ヘアキャップ

子どもはもちろん大人も、お風呂上りの湯冷め対策にヘアキャップの活用がおすすめ。特に冬は頭も濡れたままだと寒いので、ヘアキャップを巻いた状態で子どもの保湿ケアや着替えを済ませると◎髪の水分を拭きとってくれてドライヤーの時短にもなりますよ。

泡で出てくるベビーソープ

泡で出てくるベビーソープ

片手でプッシュして泡で出てくるタイプのベビーソープは、赤ちゃんを抱えながら洗えるので便利です。
また、お風呂上りの保湿ケアもべたつきにくいと赤ちゃんが嫌がることもあるため、サラっとしたテクスチャーのベビーローションがおすすめです。

こんな時どうする?ワンオペお風呂のよくある悩み

こんな時どうする?ワンオペお風呂のよくある悩み

Q. 生理中のワンオペお風呂はどうすればいい?

A. 基本的に、ママがしっかり体を洗ってから湯船に入れば、子どもと一緒にお風呂に入っても衛生面の問題はありません。入浴中は水圧により血液が押し戻されるため、経血は出にくい状態となっています。

ただし、経血量が多く湯船に浸かるのに抵抗がある場合は、「タンポンを利用する」「シャワーだけで済ませる」「パートナーに入れてもらう」「先に子どもだけを入浴させて、パパが帰宅してからお風呂に入る」など工夫すると◎
ママとパパで協力して、できるだけ負担の少ない方法でお風呂に入れてあげましょう。

Q. 冬のお風呂の寒さ対策はある?

冬のお風呂の寒さ対策はある?

A. 特に冬は入浴前に浴室と脱衣所を十分に温めましょう。浴槽にお湯を張る際に、お風呂のフタを少し開けたままにしておくと湯気で浴室を温めることができます。また、できるだけ冷気が入ってこないように浴室のドアの開ける際は最小限に抑えるとよいです。

着替えさせる部屋も暖房機器で十分に温めておきましょう。暖房の温度設定は高めにしておくと湯冷め防止になります。

完璧じゃなくて大丈夫◎ワンオペお風呂を乗り切るために

完璧じゃなくて大丈夫◎ワンオペお風呂を乗り切るために

ワンオペお風呂は1人で全てこなさなければならずドタバタしがち…。しかし、事前の準備や子どもの成長に合った便利グッズを活用するなどの工夫で、少しでも負担をラクにしながらも安全な入浴ができます。

また、お風呂は毎日入らなければいけないわけではなく、シャワーだけでも良いですし、休む日があっても大丈夫。完璧に育児をこなそうとせず、子どもはもちろん自分のその日の体調に合わせて、無理ないペースで進めることが大切です。
ワンオペ育児で不安なことや悩みがあれば、パートナーはもちろん、家族、友達など周囲に相談しながら、一人で抱え込みすぎずにワンオペ育児を乗り切りましょう◎